本当の自分を知る②

才能・能力

脳から見た本当の私

 人間の大脳には大脳新皮質という部分があります。
 大脳新皮質は、大脳の表面厚さ2mmくらいを占める部分で、合理的で分析的な思考や理性をつかさどり、生物が進化するほどこの部分が発達すると言わています。
 また、大脳には大脳辺縁系という部分もありますが、大脳新皮質とは対照的に本能や感情をつかさどり、生命維持をはじめ、本能的な欲求や、記憶に基づき好き嫌いを決めたりします。この部分は生きものが進化する過程でほとんど発達していないと言われています。
 
 
 ところで、大脳新皮質の思考・理性と、脳辺縁系の本能・感情があまりに異なっていると、感情や本能を理性や思考で抑圧してしまい、大きなストレスを感じることになります。
 現代人は大脳新皮質が発達し、社会や人間関係やルールも複雑化しているため、ストレス過多というのは当然なことなのかもしれませんね。

 思考・理性・本能・感情をすべてをひっくるめて「私」を構成していますが、最近の世の中の変化や動向を考えると、理性や思考を重視した時代から、自分の本能や感情や感覚を大切にすることが重視される時代へと変化しているのではないかと感じます。
 そして、これは、これまで思考や理性を重視した故の行き詰りや閉塞感から解放された、新しい世界を創造していきたいという意識の表れなのかもしれません。

本当の私をあらわすもの

 私たちは、自分とは何かという質問に対して、所属する集団や企業、職業、お金、家族、地位、学歴、性別、友人など社会的な身分や基準を答えることが少なくありません。またその枠の中で高く評価されるべく努力してきたとも言えます。
 
 多様性が認められる時代になった現在でさえ、枠から外れることに恐れや不安や疎外感を感じたり、枠の中で評価や承認されない時に悩み、枠に自らはめるために、自分を抑圧してしまうことがあるのではないかと思います。
 枠も大切な基準ですが、枠の基準ばかりに焦点を当て、その期待や評価を気にして自分の感情や本能・感覚を抑圧しすぎると、急に自分の存在価値が分からなくなってしまい、不安定になってしまったり、本当の自分って何?と考え込んでしまうことがあります。

自分の感情や感覚を大切にする

 ところで、本当の自分とはどのような自分なのでしょうか?
 周りの人や世間の常識にとらわれる自分ではなく、自分の感情や本能・感覚を表現し、無理していない自分のことではないでしょうか?
 自分探しの方法として、瞑想、自分の好きなもの、心がワクワクするもの興味をもったもの心地よいと感じるものに目を向ける、自然に触れる、旅行をする、カウンセリングを受ける、新しいことをするなどがあげられますが、共通する重要なポイントは、普段感じれない感情や感覚に意識を向けそれを観察し意識することなのではないかと思います。

 日々、仕事や家事、育児と忙しい毎日を送っていると、自分の気持ちや感覚をを抑圧し周囲に合わせることが多くなります。時間ができて、本当の自分って何だろうとふと感じてしまった時、いまここにいる自分の感情や感覚を評価や判断をせずに意識的に観察することをお薦めします。

 本当の自分を探すのではなく、今ある自分の気持ちや感覚に気づき、望む自分の姿を創造し変化を感じていくことで、本当の自分を見つけることができるのかもしれません。そして、自分の感情や感覚に気づき、丁寧に扱ってあげることが「自分を愛する」ということなのかもしれません。

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